雪国の除雪は雪掻きなんてものじゃありません。

私は岐阜県の出身で小学校五年生までは雪の滅多に振らない美濃地方に住んでいました。ところが父親の仕事の都合と喘息が酷かった私の転地療法を兼ねて同じ岐阜県でありながら冬は雪深い飛騨地方に引っ越すことになったのです。
引っ越したのは丁度年度の境でしたから、所々に残雪はあったもののしばらくその地の積雪の凄まじさは知らずに過ごしました。気候の違いと言えば空気の良さ、夏の朝晩の涼しさはあるものの、夏の日中は美濃に居た頃と変わりませんでした。
しかしその年の冬は五六豪雪以来の大豪雪となり、雪というものを良く知らなかった私達家族はその凄まじさに驚き戸惑ったものです。
家族がそれまで経験した除雪作業と言いますと熊手で少し雪を除けるだけのまさに「雪掻き」だったのですが、飛騨の積雪はとてもそんなことでおさまるものではなく現地の言葉で「雪またじ」と呼ばれる大規模な労働でした。
幸いにして、ご近所の多大なるアドバイスがあって家族はこの年の冬を乗り切りました。その後は暖冬の年も多く、あの年に比べれば楽、という感覚で雪に対してかなり慣れ親しむ事ができました。
今回はあの年、飛騨で、近所の人から受けたアドバイスを中心に住まいと雪というテーマで書かせて頂きます。
確かに雪国の暮らしは厳しい。だけど…。
前半は雪国の生活についてお話ししましたので、後半は「克雪」雪に打ち克つ家造り、雪国の住まいについてお話しします。